紫寶山眞廣寺
2年5ヶ月ぶりに今月の言葉を更新しました〜2025年4月(2025年3月30日)
忘れることも 勉強の うちだ〜 外山 滋比古 〜2025年4月
こんにちは。住職です。
「AI革命」と言われる現代、変化の速さに不安を感じ、「何か新しいことを学ばなければ」とあせる方もいるかもしれません。
今回は、故・外山滋比古さんの言葉をご紹介します。外山氏は〝知のバイブル〟と呼ばれた『思考の整理学』の著者として知られ、この言葉の前後に「見つめるナベは煮えない」とも述べておられます。これは鍋の中身を気にしすぎ、頻繁に蓋を開けたり、かき混ぜたりしていては、いつまで経っても煮えないように、「一つのことに執着しすぎると、かえって物事がうまく進まなくなる」という意味が込められています。。
AIに対し、人間ならではの強みは「発想力」です。実はAIは大量のデータを処理することは得意でも、全く異なる二つの物事をくっつけ、新しいアイデアを生み出すことは苦手だと言われています。
外山氏は、生前、AI時代を予言した人としても知られております。氏は、人間の発想力を高めるためには、「考えを寝かせる」、つまり「ときには忘れる」ことが大切と説きます。そのために昼寝をせよ、ともいいます。それも勉強のうちだと。ここが掲示板の言葉につながります。
悩みや不安にとらわれ、堂々巡りの思考から抜け出せなくなった時、無理に逃れたり、忘れようとせずとも、一度立ち止まり、思考を横に置いてみることが大切です。そうすることで物事を客観的に見つめ直せたり、新たな視点を得られますから。
この考え方は、信仰などにおいても同じです。一心に祈ったり、瞑想に励んだとしても、当てが外れてしまったり、心が乱れてしまうことがあるかもしれません。
お念仏は願い事をする行為ではありません。ことさらに無心をめざす必要もありません。ただ口に「南無阿弥陀仏」と称えます。それだけかと思うでしょうが、そこには、アミダさまと自然に向き合うための「ちからの抜けた姿」があります。この姿勢が、私たちに穏やかな心を与え、忙しい毎日を受け入れる力を与えてくれるのです。
早いもので、もう4月ですね。どうぞ、穏やかな日々をお過ごしください。
年間行事予定2025(令和7)年
修正会・元旦(しゅしょうえ)…1月1日除夜の鐘終了後
修正会2日目(しゅしょうえ)…1月2日 午前8時より
春季永代経 … 3月16日(日)
他所経常費集金 … 7月13日(日)
境内葉刈作業 … 7月27日 (日)
秋季永代経 … 10月5日(日)
報恩講 … 12月5日(金)〜12月7日(日)
5日夜 → 子ども報恩講
6日夕 → 御傳鈔拝読(法話後)
7日午後 → 門徒総会
除夜の鐘…12月31日 (水)午後11時より(引続き修正会)
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住職: 竹中 慈祥(たけなか じしょう)
1968年(昭和43年)生まれ
現在、真宗大谷派難波別院法務部長 兼 教務部長東本願寺寺院活性化支援員前・大和大谷別院輪番事務取扱元・大阪教区駐在教導
出張法話など承ります。お気軽にお声がけください