紫寶山眞廣寺

わすれることも べんきょうの うちだ 〜 とやま しげひこ 〜

忘れることも 勉強の うちだ〜 外山 滋比古 〜2025年4月 

 こんにちは。住職です。

 「AI革命」と言われる現代、変化の速さに不安を感じ、「何か新しいことを学ばなければ」とあせる方もいるかもしれません。


 今回は、故・外山滋比古さんの言葉をご紹介します。外山氏は〝知のバイブル〟と呼ばれた『思考の整理学』の著者として知られ、この言葉の前後に「見つめるナベは煮えない」とも述べておられます。これは鍋の中身を気にしすぎ、頻繁に蓋を開けたり、かき混ぜたりしていては、いつまで経っても煮えないように、「一つのことに執着しすぎると、かえって物事がうまく進まなくなる」という意味が込められています。。


 AIに対し、人間ならではの強みは「発想力」です。実はAIは大量のデータを処理することは得意でも、全く異なる二つの物事をくっつけ、新しいアイデアを生み出すことは苦手だと言われています。


 外山氏は、生前、AI時代を予言した人としても知られております。氏は、人間の発想力を高めるためには、「考えを寝かせる」、つまり「ときには忘れる」ことが大切と説きます。そのために昼寝をせよ、ともいいます。それも勉強のうちだと。ここが掲示板の言葉につながります。


 悩みや不安にとらわれ、堂々巡りの思考から抜け出せなくなった時、無理に逃れたり、忘れようとせずとも、一度立ち止まり、思考を横に置いてみることが大切です。そうすることで物事を客観的に見つめ直せたり、新たな視点を得られますから。


 この考え方は、信仰などにおいても同じです。一心に祈ったり、瞑想に励んだとしても、当てが外れてしまったり、心が乱れてしまうことがあるかもしれません。


 お念仏は願い事をする行為ではありません。ことさらに無心をめざす必要もありません。ただ口に「南無阿弥陀仏」と称えます。それだけかと思うでしょうが、そこには、アミダさまと自然に向き合うための「ちからの抜けた姿」があります。この姿勢が、私たちに穏やかな心を与え、忙しい毎日を受け入れる力を与えてくれるのです。


 早いもので、もう4月ですね。どうぞ、穏やかな日々をお過ごしください。


年間行事予定2025(令和7)年

しんこうじ基礎知識1

本尊:阿弥陀如来[南無阿弥陀仏]

宗旨:浄土真宗 [ 真宗 ] 

宗派:真宗大谷派

本山:東本願寺(真宗本廟)

宗祖:親鸞聖人

しんこうじ基礎知識3

勤行:〜平素のおつとめ〜

前住職:竹中静純 / 現住職:竹中慈祥

寺報:翫湖堂だより(季刊)

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紫寶山真廣寺(しほうざんしんこうじ)

〒521-0002

滋賀県米原市上多良309番地

0749-52-4145

住職: 竹中 慈祥(たけなか じしょう)


1968年(昭和43年)生まれ
現在、真宗大谷派難波別院法務部長 兼 教務部長東本願寺寺院活性化支援員前・大和大谷別院輪番事務取扱元・大阪教区駐在教導
出張法話など承ります。お気軽にお声がけください

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