2012/9 苦が外からついてくると 思うているうちは 苦はなくならない

 

2012年9月のことば

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2012年9月のことば

苦が外からついてくると

思うているうちは 苦はなくならない

  〜蓬茨祖運〜


人生には4つの約束事があるという。「繰り返すことができない」「誰にも代わってもらえない」「かならず終わりが来る」、そして「その終わりがいつくるかわからない」。仏教の基本的な教えである四法印、すなわち諸行無常・諸法無我・一切皆苦・涅槃寂静はこのことを私たちに教えようとしている。この生老病死の現実を前に、私たちはまさに無力と云うほかない事柄にしばしば直面し、苦悩する。
かつて三十七歳の若さで失明を宣告された井出信夫さんは、その受け入れがたい現実に悩み、苦しみ、病院を転々とし、すべて先祖や家族のせいだと周囲にあたり散らした。誰にも理解されないという不安と孤独の中、文字どおり絶望の闇の只中にあった。
ところが現実を引き受ける機縁を得て、「闇の底が抜けた」という(「闇の底抜けた」樹心社刊)。出版された手記の大半は、苦しみ、悩む井出さんの姿が本人の語りによって生々しく描かれてゆく。しかしその最終章には、明るく生き生きとした井出さんの姿があった。
蓬茨祖運師は「苦しみをまぬがれるには、その苦しみを生かしていく道を学ぶこと」とも云われる。心の闇が照らされて、闇を闇と知らされる。苦は消せるものではなく、照らされ開かれるものだ。

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