2013/11 世の中は 喰うてかせいで寝て起きて さてそのあとは死ぬるばかり 一休
2013年11月の言葉

2013年11月の言葉

2013年11月のことば

世の中は 喰うてかせいで
寝て起きて さて
そのあとは 死ぬるばかり 一休


とんちで有名な一休さん(一休禅師)の歌である。「そんなことあるものか、私は衣食住だけで生きているわけではない」と反論されそうだが、果たして本当にそうだろうか。
故訓覇信雄氏は「生活とは何か」と問われた。改めて言われて思い当たるのは…朝起きてあれしてこれして…つまり「喰うてかせいで寝て起きて」ばかり考えている私たちではないだろうか。それは単なる「活動」に過ぎない。残念なことに多くの人が生活といえば単なる活動、つまり収入とか健康、または娯楽が満たされることばかりを思いつくようである。
生活とは「生きて」「活動」していることである。だから今、生きていることの意味が本当に問われなければ、私たちはこの歌のままに人生を終える。蓮如上人と交流の深かった一休禅師は、その言動から何かと誤解されることが多かったと言うが、この歌もそうだ。一見、絶望的な表現だけれど、私たちのありさまをユーモラスに照らし出してくれている。
阿弥陀の本願はそういう私を目当てとしている。「そのままでいいか、本当にいいか、空しくはないか」と常に呼び掛けてくださる。ただ本当にかすかな声だから、欲にまみれた人間はふだん気がつくこともない。感謝、報謝と、一見キレイな言葉を口にするが、そこに「私の」と入る以上、どれも真実になりきらないのが人間の実相だ
親鸞聖人はそんな私たちのためにお念仏を残してくださった。”死ぬばかり”ではない人間の歩みは、一見頼りなさそうな念仏より始まる。
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