2014/6 我々は他人によって苦しめられるのではない〜清沢満之〜

2014年6月の言葉生きているといろんな出来事に遇う。時には周囲から思いも寄らぬ苦しみや悲しみを与えられ、まるで自分が自分でなくなってしまうような辛さを感じることがある。しかし「この苦しみは外から来たものではない」と明治の偉人・清沢満之はいうのだ。

かつて人間を氷の塊にたとえた人がいる。氷はそのままにしておけば溶ける。それはあたかも自分が壊されてゆく感覚に似ている。壊されたくないから、どうするか。冷凍庫に隠れようとする。つまり外界と遮断し、ひきこもることで孤独な安心を得ようとする。あるいは、風が吹くから溶けるに違いないと、風を防ぐ壁を立てようとする。それが人間の姿なのだと。
我々は、老いや病だけではなく、生きることや、果ては死というものに翻弄されてどうしても壊れてゆく。これは自然の法則である。どうして翻弄されるのだろう。それは「我」にしがみついているからだ。真実の教えはそこから離れなさいと教える。そう聞けば、離れることと死は同一なのかと受け止める人がいる。その単純さが人間のありさまなのだ。そんなお粗末な思考回路と、頼りにならない我が身、そんなものに頼って、人生の根本を流れる無限の大悲を遠ざけてきた。だから私たちは苦しむべくして苦しむのである。誰が運んできたわけでもない、立っておれんところに立っている私の眼が曇っていたのだ。
仏はそんな私たちを、しずかにほほえんで見つめてくださる。/end

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2017年7月のことば

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