2014/8 他によって 自に立たねば 着飾った幽霊 〜平野修〜

2014年7月の言葉

他力本願。これほど世の中で誤って使われている言葉はないだろう。「他力」こそ浄土真宗の根幹を支える思想なのだが。
一般的に誤用される『他力本願』とは「他人の努力を頼みにし、甘えること」と解釈するようだ。つまり自らの努力(自力)こそが大切で、他人に甘えるべきではないと。その理解は一見判り易いが、決定的に欠けている視点がある。それは「個人の努力だけで全ては動いているのか」ということだ。
人は決して自力だけでは生きられないと、親鸞聖人は気づかれた。努力はたしかに大切だが、努力を尽くさせてくれたものは何だろう。それは私の背景やそこに関わる出来事、全てのつながりではないか。どこまでも個に立ってしまう私の視点では感知できようのない広大な世界・出来事がつながりあい、めぐりめぐって私を根本から支えてくれていた。そう気づいたとき、自力とはなんと狭い視野なのかと報(しら)される。個人にとってはどれほど必死の努力であっても、それを成就させた因、すなわち仏の眼からすれば些細なことに過ぎない。私を超えているからこそ「他」力なのだ。他力を知らないことは、そういう広い視野を持っていないということでもある。
自ら力を尽くしても、それに固執もせず、主張もしない。むしろその背景を感じ、不可思議のご縁と頂戴する。それが他力本願である。南無阿弥陀仏の生活である。
かたや自力の世界しか知らない人は、主張ばかりで足元を見ない。まるで着飾った幽霊のようだと平野氏は押さえられる。/end

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2017年7月のことば

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