2016/5 食わねば生きられぬ では 食っておれば死なぬか
2016年5月のことば

2016年5月のことば

先日、高校生数百人の前でお話をさせてもらう機会を得た。なるべくわかりやすくと心がけたものの、どんどん彼らが眠りに落ちて行くのを感じ、我が力のなさに改めて思い入った。

しかしかつての自分を省みれば、高校時代など、仏教の話などいささかも聞こうとは思わなかった。彼らはかつての自分だ。興味や課題の対象が異なれば、どんな言葉が耳には入ってきても届かないもの。

さて、さしずめ現代の興味の対象はどうだろう。失礼ながら「食うこと」、つまり経済的に稼ぐことに一生懸命ではないか。テレビ番組が世相を如実に示すように、時代のニーズが儲け・遊び・喰うということにシフトしている。高校生だけではない、世間全般がこうなのだ。仏教の話などなかなか広まらないだろう。

かつて某市長がある職場にたずねてゆき「あなた方はなぜ働くのか」と聞いたという。すると彼らは「働かんと食えん、食えんと死ぬがな」と言った。市長は「なるほど、では食っていたら死なんかね」問い返したところ、彼らは沈黙し、考え込んでしまったという。この沈黙こそ、彼らがその言葉に出遇ったあかしなのだろう。

食ってさえおれば生きられるのではない、その一歩先こそがが大切である。誰のためでもない、「わたし」の人生をかけた一大事なのだから。

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