2011年1月のことば
待つ長さ 過ぎ去る速さ 生きる今
・・年が明け、新しい日が始まった。年末のせわしさもひと段落、何はともあれ世間は穏やかに正月気分を迎えている。
子どものころは「もう幾つ寝ると…」と正月を待ちこがれつつ、正月までの時の長さを感じたものだが、大人になれば「もう正月」とせまりくる時の速さのみを強く感じる。…この速さは過ぎ去った時間の速さでもある。
・・一説には私たちの感覚として、生まれてから二十歳までに感じる時間の長さとその後の人生全体で感じる時間の長さはほぼ同じなのだとか。真偽はともかく、私たちとは、それほど年々時間の感覚がおろそかになってゆく生き物なのだ。
・・時間の流れを書き表すとき、通常なら「過去・現在・未来」と書く。が、蓮如上人は「過去・未来・現在」と書かれる。たかが順番と思うことなかれ。いまだ見ぬ未来にあこがれつつ、過去を忘れようとし、そして現在をおろそかにしている私たちの姿そのものではないか。上人は「現在を大切に生きることこそ」が、忘れてしまいたい過去を逆に生かしつつ、希望に満ちた未来を歩めるのだと云われるのだ。
・・猛烈な速さで私の身を駆け抜けるこの「時間」。さてどう受け止めるか。私たちのもっとも大切にすべき年頭所感であろう。 南無阿弥陀仏。




