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念仏のほかに 救いを求めるから おちつけぬのだ

2013年9月の言葉

 

2013年9月の言葉

かくいう私も長いあいだ、念仏が救いになるもんかと思って過ごしてきました。悶々としながら。それほど人間が自らの知恵に頼ろうとする闇は深いわけです。

今月も無事掲示板を更新できました。

今月は悩みました。

身近で「無宗教」を標榜される方の話を聞いたからです。

味わいにはかなり強い調子で書いてしまいましたが、どちらかというと大変悲しい気持ちで一杯でした。

宗教はいまや「金儲けの道具」のようになってしまいましたね。だから関わりをきらって無宗教と仰るのでしょうか。
それとも救いなど宗教に求めなくとも、
私は自分でしっかりしている、とでも?

しかしそれはあまりに「安易」です。

宗教の意味は「宗(むね)」を問いかけるものである、と思います。むねという字はとても種類が少ないのですが、どれも大切なものを指します。

四つしかないんですね。

まず。棟がなければ建物は建ちませんね。
次に。「胸を割る」とか「胸に刻む」など、
古来、大切な思いはどちらかというと頭ではなく胸と表現されてきました。

そして。広辞苑ではと同列に扱われます。
そこには「主とすること。中心とすること。また、そのもの」とあります。

旨は特に「事のおもむき、趣意」とも扱われますので、
まさに「宗」とは主とすること、中心とすることという意味あいです。

 

宗はまさに、私にとって、大事なもの、こと、だと思います。


そんなもんありゃせんわ。
というのが「無宗教」という言葉のウラに聞こえそうです。

しかし、誰でも大事なものがあるでしょう?
子どもが何より大切だ、という方。
配偶者が何より大切だ、という方。
家族が何より大切だ、という方。
平和が、健康が、長生きが、仕事が、社会が、名誉が…そして、お金が。

そういわれると、大事なものは誰にでもあるでしょう。
もちろん「私自身」も大事ですよね


ただその大事なものは、
いつまでもそのままのかたちでは存在してくれないのです。



子どもは成長して親から旅立ってゆきます。
配偶者はいつか死別します。最近はその前に別れる方もあるようですが。
家族も同じです。いつかは別れなければなりません。

平和健康長生きは、得ているときには当たり前と思ってしまいます。
失って初めて焦っているのではないですか。原発の問題が顕著ですね。
平和や健康が本当に大切ならばもっと早くに手をうっていたでしょう。

社会名誉お金
私の身についているようですが、死してなお、持ってはゆけません。
子や孫に託すのも結構ですが、大切に引き継いでくれるとは限りません。

そして、この
明日の予定表にいろんなことを書いて居られるでしょうが、
どこを眺めても「死ぬ」という一言はありませんでしょう。
「いつかは死ぬ」と知っていても、それがいつとは分からないのです。


人生に4つの約束があるといいます。
1 繰り返すことができない
2 代わってもらえない
3 必ず終わりが来る
4 その終わりがいつくるかわからない。

こう書いてしまうと絶望的です。
これは宗教からの「指摘」です

 ・

しかし、そうともいいきれません。
今死んでもおかしくないこの身が沢山の偶然と条件によって今、生きているのですから。
いつ崩壊してもおかしくない社会が今、かろうじて保たれているのですから。
いつ離別、死別してもおかしくない家族や子どもが今、私と共にあるのですから。

人生には想像もつかない大きな何かがはたらいているのです。
それを頭で考えてわかったつもりにしているのが人間です。
ここに宗教の「救い」があります。

宗教は私にとって本当に大切なものは何であるか、を問う教えなのです。
そしておよそ800年前に、その究極を見出された方がいます。
それが宗祖親鸞聖人です。
聖人は「ただ念仏」とおっしゃいました。
実は、それでは頼りない!と思う方のために。

人生の最も大事なことがなぜ最も頼りない念仏なのか。
そこに問いが生まれます。
宗教とはその大切なものを「問う」ということです。
深い問いの前につねに身を置き、きき続けると言うことでもあります。

ただいたずらに答えを求めるごとく
金銭による安直な救いを求めるから、
宗教は「金儲けの道具」になるのです。

求める側にも問題があります。

わたくし思いまするに、だれしも生あるかぎり、
「無宗教」ではいられません。
長々と失礼しました。


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