第1冊 おばあちゃんは木になった 大西暢夫

しんこうじ文庫 所蔵の一冊

「おばあちゃんは木になった」

大西暢夫 著 2002年 ポプラ社

おばあちゃんは木になった

おばあちゃんは木になった

1冊目は「おばあちゃんは木になった」です。今はもう地図にない村「岐阜県揖斐郡徳山村」を追い続けた、写真家・大西暢夫さんの日記のような写真絵本です。

村がダム開発のため、湖の底に沈むことになりました。そんな中「まだすぐに沈まないなら、もうちょっとここで住みたい」と残り僅かな村での生活を望む“ジジババ”たちは、どこか懐かしく、そしてとてもたくましく生きています。

すでに電気も止められながら「ちょっと前まで電気がないのは当たり前だった、これが本当の徳山村の姿なんじゃ」とむしろその不便を楽しみます。「ええ夕陽や!また元気がもらえるな。ここに生まれたことを感謝せなあかんな」と〝はつよさん〟は夕陽に手をあわせます(表紙写真)。自然から与えられたものを喜び、太陽と共に寝起きする…少し前まで全国で当たり前にあった光景…それがいつしか便利さと快適さばかりを求める方向に舵が切られ、今ではむしろその方向が当たり前になってしまいました。

確かに今さら、電気のない生活には帰れません。しかし「もっと」と求め続ける生活にはどこかで舵を切ることができるのでは…。そのことを考えさせてくれる絵本です。

〝じょさん〟の家が取り壊された日。その悲しそうな横顔をカメラはしっかり捉えました。誰かを犠牲にして成り立っているような文明や文化は、早晩、大地から見棄てられることでしょう。この絵本をとおして、先輩方の自然の暮らしを追体験し、そこから自分たちの日常を振り返ってみませんか。

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2017年6月のことば

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にぎって、
はなして、
向こうから〜訓覇信雄〜

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