第3冊 ぼくは いま ここにいる 佐賀江夏文/成仏のり子

しんこうじ文庫 所蔵の一冊

「ぼくは いま ここにいる」

佐賀江夏文 作 成仏のり子 画 2009年 東本願寺出版部

ぼくは いま ここにいる3冊目にご紹介する本は「ぼくは いま ここにいる」です。

実はこの本のレビューにあたり、いろいろ調べていましたら、案外この題名と同じような題をもつ書籍が多いことに気がつきました。「今ここにいる」ということをわざわざ口に出さないとおれない時代が来ているのでしょうか。

だれでも思春期に「自分の存在ってなんだろう」ということに思い至り、悩むことは多いと思います。そうした漠然とした不安にかられ、どうして良いのかわからない、今いる場所がどうしても満足できない、そんな気持ちに襲われたことでしょう。この絵本の主人公、バウムもそうでした。バウムは小さな木でした。自分が根を張った場所(生まれた境遇)に苦しみ、悩みを訴え続けます。

悩めるバウムがどうなったかは絵本を読んでいただくことにし、ここは『樹木』が主人公であることに注目したいと思います。実は、仏教は樹木を譬えに使うことがとても多いのです。お釈迦さまの悟りは菩提樹、また臨終は沙羅双樹というように。親鸞聖人は「樹心弘誓…心を弘誓の仏地に樹て、念を難思の法海に流す」ともおっしゃいます。難しい言葉の意味はさておき、私たちの心や想いはどこに「たつ」べきかという意味に「樹」を使われたのです。

樹木の生きざまは、生まれた場所を我が場所と定め、物言わず、動かず、騒がず、その生涯を尽くして行きます。私たちはどうでしょう。そのことを静かに考えさせてくれる絵本です。

※紹介した本はしんこうじ文庫でもお読みいただけます。
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2017年7月のことば

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